「雨の背中」

大好きな作家さんの一人、中場利一さんの「雨の背中」読みました。
序盤からぐいぐいと主人公とその彼女の魅力、背景に引き込まれます。
そしてタイトルの「雨の背中」の意味を知り、あぁそういう事かぁと一人納得すると、
心の中に雨が降ってきました。

この作家さんの好きなところはリズム感と哀愁です。
序盤は引きつけ、中盤でまったり、後半は一気に加速して終わります。
そして、作品全体に流れるさみしい空気。。
本当の寂しさを知ってるからこそ、本当の優しさ、暖かさ、が描けるのだと思います。

掛け値なしにおもしろい作品でした。
映像化されても面白いと思います。

 

 

オレ、おまえ、赤ん坊。三人で、どこまで行こう?
喧嘩の強さと明るさだけが取り柄のチンピラ中年男(46歳・現在無所属)と、
笑わない女、29歳。
アンバランスな二人が恋をして、彼女のお腹に赤ちゃんが宿った。
おめでたいのはおめでたい。でも実はそれどころではない。
男は古巣の組に復帰する条件として出された指令を遂行し、
匿われている最中なのだ──。
雨の背中/中場利一/著          (光文社HP書籍詳細より引用)